米IBMはブレード・システム「eServer BladeCenter」の出荷予定を米国時間4月25日,発表した。このシステムは,超高密度サーバーに同社の「eServer」,「TotalStorage」,ネットワーキング・ブレードを組み込み高度なコンピューティングを実現し,データ・センター管理に容易に統合できるという。

 「ブレード・アーキテクチャのメリットは,パフォーマンスと信頼性を欠くことなく経費と複雑さの削減にある。わが社のブレード・システムには,高性能のコンピューティング・パワー,自己管理技術,メインフレーム級の信頼性を持つ機能を組み込む予定である」(同社)

 同社は,他の多くのベンダーがブレード・サーバー製品を通信,サービス・プロバイダなどの市場をターゲットにしているのに対し,これらの市場に加えて企業顧客も視野に入れている。

 同製品は,「IBM POWER」,Intelの「Xeon DP」,「Itanium」などのプロセサの搭載を予定している。同社のPCシステム管理ソフト「IBM Director」を使ってブレード・システムをプログラムすることにより,必要に応じて自動的にリソースをオンまたはオフ・ラインにできる。同ソフトにより,数百のブレード上のシステム管理をリモート拠点から実行することもできる。また自己修復技術は,ブレードがハードウエアとソフトウエア両方の障害から復旧できる機能を提供する。

 最初に出荷が予定されている「eServer BladeCenter」は,Intelプロセサを実装する。「Xeon Processor DP」チップにより,企業アプリケーションの実行に必要とされる性能を実現する。ブレード・サーバーの密度は,単一のラックに収録する企業アプリケーションの数で計られるが,同製品は,パフォーマンスを犠牲にすることなく,既存の1Uサーバーの倍の密度を提供するという。

 同製品は,関連アプリケーションに加え,Linux,Windowsのサポートを予定している。Intelベースのブレード製品は同年の第3四半期にIBMと同社のビジネス・パートナを通じて出荷が予定されている。

 ちなみに,IDC社は,ブレード市場は2006年までに37億ドル規模に達し,顧客は薄型のプラグイン・ブレード・サーバーを電子メール,コラボレーション,eコマース・アプリケーション,Linuxクラスタ,その他の企業アプリケーションなどのITインフラの統合に使用すると予測している。

◎関連記事
米IBMがミッドレンジのUNIXサーバー「eServer p670」を発表,「POWER4」搭載
日本IBM,IP上でSCSI接続できる新ネットワーク・ストレージ
米インテルが動作周波数800MHzの「Low Voltage Intel Pentium III」を発表
日本IBM,PCシステム管理ソフト「IBM Director」の新版を1月25日から出荷
IBMが“HAL"を目指す?「自律コンピューティング」に巨額の投資
iSCSI対応製品の出荷始まる

発表資料へ