米Dell Computerが米国時間4月3日に,薄型のブレード・サーバー「PowerEdge 1655MC」と,米Intelの「Xeon multi-processor(MP)」を採用した「PowerEdge 6600」「PowerEdge 6650」を発表した。

 各サーバーの主な特徴は以下の通り。

■PowerEdge 1655MC

 PowerEdge 1655MCは,「Pentium III」を2個搭載するサーバーを最大6台まで一つの筐体(きょうたい)に格納できる。「サーバーの密度を大きく高め,管理作業を簡素化できる。サーバーの整理,シン・クライアント・コンピューティング,高性能クラスタリングに最適」(Dell社)という。

・筐体のサイズは3U(約133mm)。ホットプラグ,冗長性のある電源と冷却ファン,組み込み型管理カード,冗長性のあるEthernetスイッチを備える。
・最大二つのIntel Pentium IIIプロセサ(動作周波数1.26GHz)に対応。FSB(Front Side Bus)は133MHz。
・チップセットは,64ビット/66MHz PCIバス対応の米ServerWorks製「ServerSet LE」。
・ハードウエア・ベースのRAIDチップを組み込んだ2台のSCSIハード・ディスク装置。
・内蔵メモリは最大2Gバイト。
・2枚の内蔵10/100/1000Gビット・ネットワーク・インタフェース・カード。
・同社のシステム管理ソフトウエア「OpenManage」を付属する。

 「モジュール設計とリソースの共有により,導入に必要なラックの大きさを50%,配線を80%以上削減できる」(同社)

■PowerEdge 6600および同6650

 大規模なデータベースやオンライン取引など強力なコンピューティング能力を必要とするアプリケーションに向ける。「当社のフラグシップ企業向けサーバーで,企業のデータ・センター用に設計した。可用性,システム拡張性があり,大容量のデータ・ストレージを内蔵できる」(Dell社)

・最大4個のIntel Xeon MPプロセサに対応。
・筐体のサイズはPowerEdge 6600が7U(約311mm),同6650が4U(約178mm)。
・チップセットは,ServerWorks社の「Grand Champion HE SystemI/O」。
・内蔵可能なハード・ディスク装置は,PowerEdge 6600が12台で最大876Gバイト。同6650が5台で最大356Gバイト。
・8ポートのPCI-X/PCIスロット(PowerEdge 6650)。

 「PowerEdge 6600と同6650はローカルな管理機能と高度なメモリ技術を備えているため,システムの問題を現場で迅速に診断し,システムのアップタイムを改善できる」(同社)

 さらに同社は,モジュラPowerEdgeシステムの製品系列を拡充する計画も明らかにした。Intel社の低消費電力プロセサを採用したブレード・サーバーを追加する。“レンガ(ブリック)”を積み重ねるように構築できる次世代のブリック・サーバーを提供するものという。「大規模な企業向けアプリケーション用に設計する。InfiniBandなどの新しい業界標準技術を取り入れ,システムの性能を向上させる」(同社)

 PowerEdge 1655MCの販売は,2002年第3四半期に世界で始める。価格については出荷時に明らかにする予定。PowerEdge 6600および同6650は5月の販売開始を予定し,それぞれの価格は5499ドル~と5199ドル~。

 各サーバの対応OSは,米Microsoftの「Windows 2000 Server」「Windows 2000 Advanced Server」,米Red Hatの「Red Hat Linux」。詳細は,Dell社のWWWサイトに掲載している。

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