米Cahners In-Stat/MDRが米国時間11月19日に,「米Intelが『Pentium 4』プロセサのサーバー版である『Xeon』プロセサ製品系列を武器に,サーバー市場に大きな影響を及ぼしつつある」などとする調査結果を発表した。「この数年でサーバー市場を刷新するだろう。今はその過程にある」(In-Stat/MDR社)
In-Stat/MDR社上級アナリストのKevin Krewell氏は,「米IBMと米Sunの領域に食い込むには,相当の独創性が必要になる。しかし,Intel社はやり遂げるかもしれない」と予測する。「Intel社はライバルのベンチマークを上回る製品を投入し続けることで性能強化を図る。ただし,これには数年はかかるだろう」(同氏)
また同調査は,「Intel社がサーバー市場で成功するには,信頼性/サービス可用性/性能面で,競合他社の製品と同等以上になる必要がある」(In-Stat/MDR社)と指摘する。
なおこの調査は,Intel社のワークステーションおよびサーバー向けプロセサに関し,2003年第4四半期までの規模/製品/動作周波数と,2002年第4四半期までの価格を予測したものである。そのほかの内容は次の通り。
・Intel社は,2003年いっぱいは32ビット版のXeonを提供し続ける。初期の「Itanium」プロセサはダイ・サイズが大きく,高消費電力,平凡な性能である。これが広範囲な採用の妨げとなる。しかし,次世代プロセサの「McKinley」ではアーキテクチャが改良されるだろう。その後2002年下半期には0.13μmルールを採用したItanium(Madison)の製造が可能になる。
・Intel社は,すべてのサーバー向け製品を,XeonまたはItaniumに移行することはない。高密度サーバーまたは薄型のブレード・サーバー向けには,2003年いっぱいは「Pentium III-S」と「Banias」プロセサをあてる。
・Intel社は,サーバー市場に重点を置くことで,パソコン向けプロセサ平均販売価格(ASP:Average Selling Prices)低下による損失分を部分的に補う。
・Intel社はデスクトップ・パソコン向けプロセサの価格を最大51%下げるが,それに対し2001年いっぱいは,ワークステーションとサーバー向けプロセサの平均販売価格は安定する。下がり始めるのは2002年下半期から。
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