米Dell Computerが米国時間2月14日に,会計年度2002年第4四半期(2001年11月~2002年1月)の決算を発表した。売上高は81億ドルで,「当初の予測を上まわった」(Dell社)が,前年同期の87億ドルからは7%減少した。純利益は4億5600万ドル(1株当たり利益は17セント)で「予測通り」(Dell社)。前年同期(2000年11月~2001年1月期)の純利益は4億3400万ドル(同16セント)だった。

 アナリストによると,世界サーバー市場における同社のシェアは前年同期と比べて3ポイント拡大し,米国市場では5ポイント以上増加した。また,中国,ドイツ,日本といった重要な市場では,業界全体の成長率を大幅に上まわったという。

 会計年度2002年通年(2001年2月~2002年1月)の売上高は,312億ドルで前年度(2000年2月~2001年1月)の319億ドルから2%減少。純利益は12億5000万ドルで,前年度の21億8000万ドルと比べて大幅に減少した。

■一時的な費用を除いた業績(1株当たり利益以外の単位:100万ドル)
  第4四半期 年間
2001年11月
~02年1月
2000年11月
~01年1月
成長率 2001年2月
~02年1月
2000年2月
~01年1月
成長率
売上高 $8,061 $8,674 (7%) $31,168 $31,888 (2%)
営業利益 $594 $589 1% $2,271 $2,768 (18%)
純利益 $456 $508 (10%) $1,780 $2,310 (23%)
1株当たり利益
(単位:ドル)
$0.17 $0.18 (6%) $0.65 $0.84 (23%)
出典:Dell社

 Dell社会長兼CEOのMichael Dell氏は,「2001年はDell社の製品とサービスに対する需要が加速した」と説明した。同社は2001年に世界コンピュータ・システム市場で14%近いシェアを獲得し,初めて年間の首位に立った。米国市場でのシェアは25%を上まわり,2000年と比べて約6ポイント拡大した。

 分野別でみた場合,当期における企業向けシステムの出荷台数は前年同期比12%増。中南米におけるサーバー出荷台数は50%以上増加した。日本では23%増加し,業界の平均増加率を3倍以上上まわった。

 地域別では,日本を含むアジア太平洋地域での伸びが最も著しかった。当期の同地域における業界全体の出荷台数は前年同期比6%減だったが,Dell社は19%増加した。また,中国と日本ではともに,企業向けシステムの出荷台数が約30%伸びた。

 EMEA(欧州/中東/アフリカ)では,当期におけるDell社製品の出荷台数は9%増加した。業界全体では5%減だった。業界全体で15%落ち込んだドイツ市場では,23%も出荷台数を伸ばした。ドイツにおけるDell社製ワークステーションの出荷台数は50%増,ノート・パソコンは46%も増加した。

 当期における米国を含む米大陸での総出荷台数は前年同期比10%増となった。

 また同社は,「会計年度2003年第1四半期(2002年2月~4月)も業界の成長率を上まわる」(Dell氏)との見通しを明らかにした。季節的な要因で消費者分野の購入が低下し,企業向け分野の需要が軟化することから,業界全体の出荷台数は前期比10%減とみる。しかしDell社の出荷台数と売上高は前期比3~5%増加する見込みだという。1株当たり利益は16セントとみる。

◎関連記事
米デルが01年11月~02年1月期決算を上方修正,消費者事業が好調で総売上高約80億ドルの見込み
米デルが8月~10月期決算を発表,10%減収で36%減益 
<業界の業績関連>
この不景気に何をする? 大手コンピュータ6社経営トップの施策とは
米コンパックが「2002年は増収,大幅増益」との見込みを発表
米IBMが2001年Q4と通年の決算を発表,世界の全主要市場で減収
米マイクロソフトの10~12月期決算,売上は前年同期から18%増で過去最高
米デルが01年11月~02年1月期決算を上方修正,消費者事業が好調で総売上高約80億ドルの見込み
米サンの2001年10月~12月期決算,依然赤字だが「回復の兆し」
米アップルの10月~12月期決算,37%増収で3800万ドルの黒字
米HPが2001年11月~2002年1月期決算を発表,前期と比べて増収増益

[発表資料へ]