米Dell Computerが米国時間1月22日に,標準的なブレード・サーバーを使って構築するLinuxベースの高性能コンピューティング・クラスタ(HPCC)を発表した。Dell社では,「当社のブレード・サーバーを利用して標準的なサーバー数千台のHPCCを構築すると,サーバーの密度を2倍に高め,設置面積を最大限利用できる」としている。

 Dell社のHPCCに対する取り組みの一つは,Red Hat Linuxの動作するブレード・サーバー「PowerEdge 1655MC」を6ノードから132ノード組み合わせるもの。標準的なラック1台に最大84台のサーバーを搭載できる。なお価格は,6ノード構成の場合4万2000ドルから。

 もう一方は,HPCC用Red Hat Linuxの動作する「PowerEdge 2650」を8ノードから128ノード組み合わせる。こちらは米Myricomの「スーパーコンピューティングに最適化されている高速かつ低遅延な相互接続ネットワーク」(Dell社)であるMyrinetに対応する。

 「数100台から数1000台のサーバー・ブレードでLinuxスーパーコンピューティング・クラスタを構成すると,設置面積を相当小さくできるとともに,増加するアプリケーションに対応するコストも抑えられる」(Dell社製品グループ内ソフトウエア開発&クラスタリング担当副社長のPete Morowski氏)

 またDell社は,高性能コンピューティングを手がける企業からなるパートナ・ネットワークを設立した。「ライフ・サイエンスやエネルギ,製造技術など,顧客の専門的な要求に応えることが目的」(同社)という。

 今後ネットワークは,ソリューション・インテグレータ,コンサルタント,独立系ハードウエア・ベンダー,独立系ソフトウエア・ベンダーで構成するとしている。設立メンバー企業は以下の通り。

 米Cornell Theory Center,米Cray,Dell社のサービス部門Dell Professional Services,米Emulex,米Extreme Networks,米Fluent,米Intel,米Microsoft,米MPI Software Technology(MSTI),米MSC Software,Myricom社,米Platform Computing,米QLogic,米Red Hat,ノルウェーScali,米TurboWorx。

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