米Hewlett-Packard(HP)は米国時間7月8日に,米IntelのマイクロプロセサItanium 2を搭載したシステムと,同システム向けの統合ソリューションおよびサービスを発表した。「これにより当社は,HP-UX,Microsoft Windows,Linuxの動作する低価格/高性能のItanium 2ベースのサーバーおよびワークステーションについて,業界で最も豊富なラインアップを提供する」(HP社)

 同日発表したシステムはHP社のチップセット「zx1」を使用し,広帯域幅で低遅延を実現しているという。「性能がずば抜けて高く,競合するRISCプラットフォームに比べてより経済的かつ高性能を提供し,複雑で大量にデータを処理する作業に対応できる」(同社)

 HP社が発表したシステムは以下の通り。

・「HP Workstation zx2000」:動作周波数900MHzのItanium 2を一つ搭載したワークステーション。2D/3D AGPグラフィクスに対応。「浮動小数点演算の性能は業界トップ」(同社)。米国における予想小売価格は4500ドルからで,「IA-32を搭載するワークステーションと同等」(同社)

・「HP Workstation zx6000」:動作周波数900MHzまたは1GHzのItanium 2を一つまたは二つ搭載可能なワークステーションで,「柔軟性および拡張性に優れる」(同社)。2D/3D AGPグラフィクスに対応。予想小売価格は6400ドルから。

・「HP Server rx2600」:動作周波数900MHzまたは1GHzのItanium 2を二つまで搭載可能。クラスタ・コンピューティング用。予想小売価格は7300ドルから。

・「HP Server rx5670」:動作周波数900MHzまたは1GHzのItanium 2を四つまで搭載可能な,エントリレベルの4ウエイ・サーバー。「既存のRISCサーバーのきょう体をそのまま流用し,Itaniumアーキテクチャにアップグレード可能な世界で唯一の製品」(同社)。予想小売価格は2万3400ドルから。

 HP社のItanium 2システムの製品系列には,システムおよびサービスの管理ソリューションも用意する。これにより顧客は,「システムの監視/展開/設定をスムーズに行うことができ,自らの顧客に提供するサービスの作成なども行えるようになる」(同社)という。

 さらに同社は,顧客によるItaniumアーキテクチャのITインフラへの統合を支援するため,新たにライフサイクル・サービスを提供する。同サービスでは,プランニング,移植/移行,実装,サポート/教育を用意しており,Itanium 2ベースのシステムへのスムーズな移行を実現するという。

 なお,Itanium 2の出荷開始を同日明らかにしたIntel社は,HP社のシステム発表について以下のようなコメントを出している。「HP社と当社の共同作業の結果,極めて要求の高い企業に向けて,拡張性/信頼性/既存投資の活用/絶対的な性能を実現するアーキテクチャおよび製品を提供できる」(Intel社エンタープライズ・プラットフォーム・グループ担当上級副社長兼ジェネラル・マネージャのMike Fister氏)

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