米Hewlett-Packard(HP)が米国時間6月10日に,UNIX系OSの新版「HP-UX 11i Version 1.6」を発表した。米Intel社のマイクロプロセサ「Itanium」搭載機に向ける。

 PA-RISCとItanium間におけるデータ,ソース,バイナリの互換性を持つHP-UX 11i Version 1.6は,「顧客にItaniumへ移行する明確な進路を提供する」(HP社)。

 「Intel社とHP社はItaniumベースのソリューション開発で密に協力している。HP-UX 11iと『Itanium 2』の組み合わせにより,顧客は世界レベルの信頼性,拡張性,性能,そして経済性を獲得することができる」(Intel社企業グループ・マーケティング部門ディレクタのRichard Dracott氏)

 HP-UX 11i Version 1.6の主な特徴は以下の通り。

・最大64個のCPUをサポート。

・負荷管理機能のほか,侵入検知やディレクトリ対応認証などのセキュリティ機能,「HP Apache」や「Zeus」といった高性能WWWサーバー,暗号化/暗号解読ライブラリを備える。

・動的カーネル・チューニングやオンライン・データ・バックアップにおけるシステムの性能を強化。

・「HP-UX System Inventory Manager」や「HP-UX Kernel Configuration」ツールと組み合わせることにより,システム管理機能が向上。

 HP社はまた,米BEA Systemsとの関係強化についても同日明らかにした。BEA社は同社のアプリケーション・サーバー「BEA WebLogic」と分散トランザクション処理用ミドルウエア「BEA Tuxedo」をHP-UX 11i Version 1.6に対応させる。HP-UX 11i Version 1.6対応のBEA WebLogicおよびBEA Tuxedoは,2002年後半にリリースする予定である。

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