米IBMが米国時間8月2日に,同社のUNIXサーバー向けのクラスタ・ソリューション「eServer Cluster 1600」の機能強化版を発表した。「個々のサーバーを集約し,1カ所からの集中管理を可能にすることで,管理コストと設置面積を削減できる」(IBM社)

 クラスタとは,複数のコンピュータを相互接続することで単一のコンピュータとして管理できるようにし,プロセサ,メモリー,I/Oの利用率といったコンピューティング・リソースを一元管理する技術。商業分野では,サーバー集約や,巨大なeビジネス・インフラの実現,高度な可用性と拡張性を備えるデータベース構築に利用する。

 同社はeServer Cluster 1600で仮想パーティショニング技術と管理ソフトウエアを使用し,32ウエイ・サーバー「eServer p690」または16ウエイ・サーバー「eServer p670」を32台クラスタ化して運用する試験を実施した。同社は,「商業アプリケーションおよびスーパーコンピューティング分野向けには,顧客の要求に合わせ,サーバーを数100台接続可能なクラスタも提供する」(同社)としている。

 クラスタ化したp690とp670は,いずれも大規模な単一サーバーとして運用できる。さらに,16台の“仮想”サーバーに分割し,一つまたは複数のパーティションで同社のUNIX OS「AIX 5L」やLinuxを実行することも可能。

 また近い将来,コンピューティング負荷が変動しても動的に対応可能とするため,クラスタ化したp690およびp670を動作中に設定変更できるようにする計画もあるという。

 なお,米メディアの報道(InfoWorld)によると,32ウエイ構成のp690を2台クラスタ化し,制御用ワークステーション1台を備えるeServr Cluster 1600の価格は,約240万ドルからという。

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