米Hewlett-Packard(HP)は,米エネルギー省(DOE)の国家核安全保障管理局(NNSA)とLinuxクラスタ向けのファイル・システム・ソフトウエアを共同で開発することを米国時間8月8日,明らかにした。

 共同開発するソフトウエアの開発コード名は「Lustre」。3年間にわたるプロジェクトである。プロジェクトの費用は,ローレンスリバモア国立研究所,ロスアラモス国立研究所,サンディア国立研究所などのDOEの研究所とNNSAが分担する。

 HP社はプログラム管理,開発,テスト・エンジニアリングをはじめ,ハードウエア,サービス,サポートを提供する。Cluster File Systems社がLustreプロジェクトの下請けとしてHP社に協力する。

 NNSA代理管理者のLinton Brooks氏は,「Linuxが高性能コンピューティング分野でさらに活躍するよう,HP社と共同で作業を進める。米国民に対する使命を果たすべく,国家安全の問題を解決するために必要なツールを提供する」と述べた。

 Lustreは,100T(テラ)FLOPS以上の性能を持つ大規模な計算クラスタ上で動作させる。当初は太平洋岸北西部国立研究所を含むDOEの各研究所で利用する。LinuxをベースにしたHP社の高性能コンピューティング・クラスタ・システムを用いる。最終的には,DOEの研究所全体で科学的シミュレーション・データに高速アクセスできるようにする。

 Lustreはもともとカーネギーメロン大学によるファイル・システム・ソフトウエアで,Cluster File Systems社,HP社,米Seagateのほか,Linux関連企業,NNSAのAdvanced Simulation and Computing局が3年間にわたって設計を行っていた。Lustreの初期版(開発コード名「Luster Lite」)はDOEの4カ所すべての研究所に導入する予定である。

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