米Sun Microsystemsは,クラスタリング・プラットフォーム「Sun Fire Superclusters」を米国時間4月8日に発表した。Sun社のサーバー「Sun Fire 6800」「同12K」「同15K」をベースとし,グリッド・コンピューティング用ソフトウエア「Sun ONE Grid Engine」および「Sun HPC ClusterTools 5」,相互接続技術「Sun Fire Link」などで構成する。

 同社では,「これらの技術を組み合わせることで,最高2テラFlopsの性能を迅速に導入できる」と説明する。「同ソリューションは高性能と高い利用効率を併せ持つ。これら2つの特性は通常トレードオフの関係にあり,コンピュータ業界では両立しないと見なされている」(同社)

 また「Sun Supercluster」アーキテクチャはオープンな仕様を採用しているので,解決対象の問題の規模や内容が変化しても,それに追従可能なコンピューティング環境を作れるという。

 Sun Fire Superclustersを構成するサーバー,ソフトウエア,相互接続技術は「Solaris Operating Environment」と「Sun ONE platform」上で動作する。各構成要素の概要は以下の通り。

・Sun Fire 6800:動作周波数1.2GHzのUltraSPARC IIIプロセサを2個~24個搭載可能なサーバー。メモリー容量は最大192Gバイト。PCIスロットを32個,ホットスワップ可能なcPCIスロットを16個を備え,1個~4個のDynamic System Domainに対応する。

・Sun Fire 12K:動作周波数1.2GHzのUltraSPARC IIIプロセサを52個まで搭載可能なサーバー。メモリー容量は最大288Gバイト。最大9枚のホットスワップ/交換可能なUniboard CPU/メモリー基板,第5世代Dynamic System Domainに対応する。

・Sun Fire 15K:動作周波数1.2GHzのUltraSPARC IIIプロセサを100個まで搭載可能なサーバー。1ドメイン当たりのメモリー容量は0.5Tバイト以上。第5世代Dynamic System Domainに対応する。

・Sun Fire Link:同社の相互接続技術。最高スループットは毎秒4.8Gバイト。

・Sun HPC ClusterTools 5:アプリケーションの負荷調整を行うためのツールセット。

・Sun ONE Grid Engine:分散リソース管理用ソフトウエア。リソースを“貯蔵”し,90%以上の利用率を実現できるという。

・Sun ONE Studio 7:プログラムの編集/コンパイル/ビルド/デバッグ/調整など,開発作業を簡素化,迅速化するためのツール。

 Sun Fire Superclustersは,世界各地で2003年4月15日より利用可能とする。Sun Fire 6800(2ノード),Solaris 9 Operating System,Sun Fire Link,Sun HPC ClusterTools 5,Sun ONE Grid Engine,Sun Studio 7を含む基本構成の価格は,211万9230ドルから。

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