米Red Hatは,ストレージ・インフラ・ソフトウエアを手がける米Sistina Softwareを買収する。両社が最終合意に達したことを,Red Hat社が米国時間12月18日に明らかにした。買収金額は約3100万ドルで,Red Hat社は普通株を発行して支払う。手続きは2004年1月初旬に完了する見込み。

 Sistina社のストレージ・インフラ・ソフトウエアは,企業規模のデータ共有ストレージ・ソリューションを構築/統合/展開する際の基盤として利用できる技術である。

 この買収により,Red Hat社は「(Sistina社の技術を)当社のOpen Source Architecture戦略と組み合わせ,エンタプライズLinux顧客に仮想化/ベンダー非依存ストレージ・ソリューションを提供する」としている。

 Sistina社の持つ主な技術は以下の通り。

・「Sistina GFS」:
 「最も先進的で完成度が高く,拡張性を備える」(Red Hat社)ファイル・システム

・「Logical Volume Manager(LVM)」:
 任意の物理ハード・ディスク装置を仮想ディスク・ボリュームにグループ化することで,エンタプライズ・レベルのディスク・ボリューム管理を行う,Linux用ビルディング・ブロック

・「Sistina GFS for Oracle9i RAC」:
 Oracle9i RACシステムの実装と管理を簡素化するソリューション

 クラスタ化および仮想化に詳しいSistina社の技術部門は,Red Hat社の開発部門に合流する。そしてSistina社の全技術をオープンソース化し,2004年前半に公開する予定。

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