米IDCが米国時間7月17日に,2003年第1四半期の世界ストレージ・ソフトウエア市場に関する調査結果を発表した。それによると同市場の売上高は14億ドル規模で,前期に比べ9%減少したという。なお売上高全体のうち,新規ライセンス収入が占める割合は76%弱だった。

 売上高減少の理由について,IDCストレージ・ソフトウエア・サービス部門調査ディレクタのBill North氏は,「同市場における通常の季節的変動」と説明し,「当社の2003年の予測値に一致する」と述べる。

 カテゴリ別にみると,バックアップ/アーカイブ・ストレージ・ソフトウエア分野が最も大きな割合を占め,それにストレージ・リソース管理とストレージ複製が続く。3分野とも売上高は前期に比べ減っており,なかでもストレージ複製ソフトウエア分野は11%減と最大の落ち込みを記録した。ただしIDCは,これらについても「季節的な変動」とみる。

 今後の状況について,IDCインフラ・ソフトウエア調査担当グループのバイス・プレジデント,Paul Mason氏は,「顧客がストレージ管理の効率化を図ろうと新たにポリシー管理/自動化ツールを導入することから,ストレージ・リソース管理ソフトウエア分野の拡大が最も速い」と予測する。

■2003年Q1の世界ストレージ・ソフトウエア市場における分野別売上高(単位:100万ドル)

分野                小分類                                  売上高
------------------------------------------------------------------
バックアップ/      -- バックアップ/復旧                    632
アーカイブ・        -- アーカイブ/階層ストレージ管理
ソフトウエア
------------------------------------------------------------------
ストレージ・        -- デバイス/SAN管理                     417
リソース管理        -- 容量/クオータ/リソース
                       管理ストレージ
                    -- ポリシー/自動化
                       ソフトウエア
                    -- 仮想化/ボリューム管理
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ストレージ複製              --                               276
------------------------------------------------------------------
その他                      --                                95
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出典:IDC(2003年7月)

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