米Red Hatは,オープン・ソースを基盤とした企業向けアーキテクチャ「Open Source Architecture」について米国時間9月23日,明らかにした。

 一般的に,重要なインフラ・ソリューションは,共通性のない別々の企業から調達していることが多い。そのため,管理が複雑化し,ますますコストがかかるようになる。「Open Source Architectureは,安全で拡張性が高く,管理しやすいインフラを提供し,業務アプリケーションの導入を支援する」(Red Hat社)

 Open Source Architectureは,標準規格対応のオープン・ソース技術をベースにしたインフラを提供する。企業全体にわたる相互操作性を実現し,製品やサービスの移行および拡大を簡素化する。共通のソフトウエア部品を階層的に組み合わせるレイヤー型モジュラ構造により,「社内全体のインフラを対象にした拡張性と管理性を大幅に向上できる」(Red Hat社Engineering部門執行バイス・プレジデントのPaul Cormier氏)

 Open Source Architectureは,主に以下の3つのフェーズからなる。

・第1フェーズ:プラットフォーム・レイヤーを構築する。「Red Hat Enterprise Linux 3」を統合プラットフォームに据え,7種類のハードウエア・アーキテクチャをサポートする。

・第2フェース:Webアプリケーション・フレームワーク,Java 2 Enterprise Edition(J2EE)実装,関連開発ツールといったインフラ要素の課題に取り組む。

・第3フェーズ:統合的な仮想化機能や管理機能に焦点を当てる。オンデマンド環境におけるストレージ,プロビジョニング,アプリケーション・リソース管理を視野に入れる。

 全フェーズで,セキュリティ技術の向上を重視する。全社的なセキュリティ・インフラの導入のほか,アクセス権管理,シングル・サインオン,個人情報管理,認証などに関するオープン・ソース技術のスムーズな統合を図る。

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