米IBMと米Red Hatが,「IBM eServer」製品系列の全システムで利用可能な大企業向けLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux v.3」を提供すると,米国時間12月11日に発表した。また両社は,IBM社の「xSeries」および「BladeCenter」製品系列のサーバーとRed Hat Enterprise Linuxのセット販売を日本と北米で開始し,その後全世界に販売地域を拡大する計画も明らかにした。

 Red Hat Enterprise Linux v.3の対応する製品は,IBM社の「iSeries」「pSeries」「zSeries」「Clusters 1350」「同1650」「e325」「IntelliStation」「TotalStorage」と,xSeriesおよびBladeCenter(POWERプロセサ・ベースの「BladeCenter JS20」を含む)。これによりeServerプラットフォームの全システムが,単一のLinuxアーキテクチャで運用できるようになる。「全eServer製品で(Red Hat Enterprise Linux v.3の)動作性能を最適化するため,当社はRed Hat社と密接に協力する」(IBM社)

 xSeries/BladeCenterとセット販売するRed Hat社製Linuxは,「Red Hat Enterprise Linux AS」「同ES」「同WS」。将来Red Hat Enterprise Linux v.3も対象に含める。

 同日の発表は,両社が2002年9月に開始したLinux事業における協力体制を拡大するもの。両社は,サーバー/ソフトウエア/導入サービスなどLinuxに関わるさまざまな顧客向けサポート業務を,全世界で提供するとしている。

 さらにIBM社は,「WebSphere」「DB2」「Lotus」「Tivoli」「Rational」といった主要ソフトウエア製品について,Red Hat Enterprise Linux 3対応サポートの提供も行う。

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