米IDCは2002年の世界OS市場に関する調査結果を,米国時間10月8日に発表した。それによると,Linuxの普及が進んでいるものの,米Microsoftが相変わらず確固とした足場を築いているという。

 2002年のサーバーOSの出荷数は前年比9.6%増加。ベンダー別にみると,米Microsoftのシェアは2001年の50.5%から55.1%へと拡大した。またLinuxも健闘しており,23.1%を占めた。Unixが11%,Netwareが9.9%を獲得し,その他のOSが残り1%を占めた。

 2002年のクライアントOSの出荷数は前年比5.1%増加。ベンダー別では,Microsoft社のシェアが2001年の93.2%から93.8%へと微増。Linuxのシェアは2.8%だった。Mac OSは2.9%,その他のOSは0.5%。

 2002年における世界OS市場全体の売上高は,前年比4.3%増の186億ドル規模に達した。企業によるIT支出が伸び悩んだにもかかわらず市場が成長したのは,Windowsプラットフォームに負うところが大きい。Windowsプラットフォームの売上高は前年比12.4%増。その他のOSは,Linuxを除いて,すべてマイナス成長となった。

 IDC,System Software Research部門担当ディレクタのAl Gillen氏は,「Microsoft社は,出荷数と売上高の両方において市場の成長をけん引した。他に明るい動きがみられたのはLinuxだけである」と述べた。

 IDCは2007年まで,WindowsとLinuxが年間出荷数を伸ばすと予測している。2002~2007年の年平均成長率は,クライアントOSが7.5%,サーバーOSが9.1%になる見通しだ。

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