米AT&Tは,米eBayとその傘下のPayPalをデラウエアの連邦地方裁判所に特許侵害で提訴したことを,米国時間11月20日に発表した。両社が使用しているオンライン決済システムが,トランザクション処理に関するAT&T社の技術を侵害しているという。

 AT&T社が問題としている特許は,米国特許番号5,329,589で,タイトルは「Mediation of transactions by a communications system」。1993年6月3日に申請し,1994年7月12日に成立した。インターネットなどの通信システムで安全な決済処理を行う中間手段に関する技術である。クレジット・カード番号や銀行の口座番号といった機密情報を相手に明かすことなく,トランザクションの実行を可能にする。

 AT&T社は,PayPal社とeBay社がこの特許技術を不正に使用したとして,損害賠償の支払いを求めている。

 AT&T社によれば,同社の特許が及ぶ範囲の技術をPayPal社とeBay社が使用していることを,1年以上前に両社に通告し,ライセンス契約を結ぶことを提案したという。AT&T社は,「この件に関して,両社と友好的な合意に至るよう試みた。しかし両社がライセンス料を支払うことを拒否したため,この問題を法廷に持ち込まざるをえなかった」と述べている。

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