米eBayが米国時間6月27日に,オークション利用者の保護制度「PayPal Buyer Protection」や,スパムやオンライン詐欺などを防止するための方策,出品者を支援する制度などを発表した。

 現行制度では,オークションで落札した商品に不満がある場合,落札者の被害を200ドルまで補償する。PayPal Buyer Protectionは補償額を500ドルに増額するもので,2003年の秋から実施する予定。なお出品者が同制度を利用するには,50件以上のフィードバック(評価)を受けており,そのうち98%がプラス評価(“良い”という評価)であることが条件で,eBay会員の約半数が対象となる。

 同社では,スパム,電子メールによる詐欺,アカウントの盗用などを防ぐ目的で,開示する会員の連絡先情報を会員IDだけに制限するという運営ポリシーを設けた。また支払いを行わない落札者の数を最小限に抑えるため,7月より入札回数に上限を設ける方針も明らかにした。さらに現在,「Buy-It-Now」(今すぐ購入)取引の支払いをその場で自動的に落札者のクレジットカードや銀行口座に請求する「Immediate-Payment」を,一部カテゴリで試験運用している。「これにより,支払いを行わない落札者を効果的に減らすことができる」(同社)

 そのほかに同社は,PowerSellerコミュニティ向けの支援策として,同社がPowerSeller会員に紙媒体広告の費用を25%援助する共同広告制度を導入した。Titanium PowerSeller会員に対しては,1四半期当たり最高8000ドルを支払うとしている。同社が同制度を試験的に運用したところ,「eBay StoresのロゴとURLを広告に印刷したPowerSeller会員は,収入額増加(76%),平均販売価格上昇(34%),入札件数増加(27%)という効果があった」(同社)という。

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