米Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)は,今春より運用している会員向けウイルス・メール・フィルタリング・サービスで5億通以上のウイルス付き電子メールを阻止できたと,米国時間11月6日に発表した。「会員1人当たりだと2週間に1回,つまり計15通のウイルス・メールを防いだことになる」(AOL社)

 同サービスは,米Network Associatesの「McAfee VirusScan」サービスを利用している。2003年4月に提供を始めたもので,AOL会員は無料で利用可能。AOL社のサーバーが出入りする電子メールの添付ファイルを自動的に検査し,ウイルスやワームの有無を調べる。感染を見つけたら除去を試み,うまくいかない場合は感染の事実を伝えるメッセージとともに送信者にその電子メールを返送する。

 同サービスについて,AOL社最高信用責任者(Chief Trust Officer)兼インテグリティ保証担当上級副社長のTatiana Gau氏は「毎週数100種類ものウイルス/ワームが新たに発生することから,もはや贅沢品などではなく,生活必需品だ」と述べる。「無防備なブロードバンド接続に起因する危険性が高まっている。これは,(悪意のある)ハッカーが,銀行口座や家族の写真,秘密のファイル,個人情報など,家族の重要な情報にアクセスしかねない状態なのだ」(同氏)

 そのほかの状況は以下の通り。

・会員に届く電子メールのうち,毎日約100万通を阻止している

・最も阻止件数が多かったのは,Sobig.fワームが大発生した8月20日で,24時間で約2400万通の電子メールを阻止した

Sobig.fワームの感染が最も多く,阻止した合計5億通の電子メールのうち約3億5000万を占めている。以下Swen,Sobig.e,FizzerBugbear.bが続く。

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