英MessageLabsとフィンランドのF-Secureが米国時間9月19日,大量の電子メールを送信する新たなワーム「W32/Swen.A-mm」について警告を発した。急激な勢いで感染を広げており,F-Secure社は危険度の評価を「レベル1(最大級)」としている。

 MessageLabs社がW32/Gibe.E-mmを最初に検出したのはニューヨーク時間9月14日午後2時30分。同9月19日午前9時の時点で,84カ国で3万5000以上のコピーを検出しているという。

 W32/Swen.A-mmは,米Microsoftのセキュリティ・アップデートを装う電子メールで送りつけられる。発症すると, アップデートのインストールにみせかけたウインドウが現れる。ワームは,ハード・ディスク装置内に格納されている電子メール・アドレスを探し出し,自身のコピーをそのアドレスに送りつける。そのほか,ピア・ツー・ピア・ネットワーク「Kazaa」やIRC経由で自身のコピーを送信したり,LAN上の共有フォルダに自身のコピーを作成するなど,複数の手法で感染を拡大する。また,アンチウイルス・ソフトウエアを無効にしようと試みる。

 MessageLabs社によると,W32/Swen.A-mmは当初,「Gibe」ウイルスの亜種とみられたが,記述法などが異なることから新種と判断。同ワームの当初のコピーはスロバキアから発生しており,その後,一部がオランダから発生しているという。

 送信メッセージを構成するSMTPエンジンを内蔵し,電子メールのフォーマットや件名はさまざまに変化するが,ファイル・サイズは一定して106,496バイトである。

 添付ファイル名は,次の文字列を含む場合がある。「Install.exe」「Patch.exe」「Update.exe」「upgrade.exe」「q433137.exe」「q478121.exe」「q489667.exe」「Q653143.exe」「Q734269.exe」「q762531.exe」「Q818418.exe」「Q944661.exe」「q963681.exe」

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[発表資料(MessageLabs社)]
[発表資料(F-Secure社)]