米net.comは,スイスのジュネーブで開催中のITU Telecom Worldで,ブロードバンド利用に関する調査結果を,現地時間10月12日に発表した。それによると,ブロードバンド利用者の約80%が最低限の帯域幅パフォーマンスを保証する新たなサービスを望んでいるという。また,68%がそのようなQoS(Quality of Service)に「追加料金を喜んで支払う」としている。

 今回の調査は,英国のブロードバンド普及団体Broadband4Britainのメンバー約6000人に対して実施したもの。

 自宅と企業ネットワーク間の安全な接続,インターネット電話,ビデオ・オンデマンド(VOD),ビデオ会議,オンライン・ゲームなどの各種サービスが普及しつつあるが,回答者の69%は「現在のインターネット接続に不満がある」と答えており,ブロードバンド接続にQoSを求める姿勢がはっきりと浮かびあがっている。

 サービスが向上した場合の接続料金については,「現料金の20%増までなら喜んで支払う」との回答が21%にのぼる。「現料金の5%増しなら支払う」とする回答者は47%。具体的な項目としては,「安全な接続」「インターネット電話」がそれぞれ92%,「ビデオ・ストリーミング」が42%,「ビデオ会議」が33%となっており,ブロードバンド・サービス・プロバイダにとっては,これらのサービス強化が,商機につながる可能性がある。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・回答者の17%は,低価格の接続料金をベースに,ニーズに応じてQoSを追加する価格モデルに興味を示している

・回答者の32%は,1分あたりの使用帯域幅に応じてQoS料金を支払う「従量料金制」を希望する一方,58%は月決め利用料金としてQoSの代価を支払うことを望んでいる

 「調査結果は利用者が,ストリーミング形式のオーディオ/映像,IP電話,自宅での仕ことなどを確実に実現するサービスに対して,追加代金を払う心づもりが出来ていることを示している」(net.com社インダストリ・リレーションズ部門ディレクタのSteve Shaw氏)

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