米Arbitronは,米国のオーディオ/ビデオ・ストリーミング利用状況に関する調査結果を米国時間9月24日に発表した。それによると,7月に米国では5人に1人が過去1カ月間にインターネット・オーディオ/ビデオ・ストリーミングを利用したという。「12歳以上の消費者5000万人が使ったことになる」(Arbitron社)
調査はArbitron社が米Edison Media Researchと協力し,2005件の電話インタビューを実施したもの。ストリーミング・サービスの利用状況とともに,サービス形態の好みやユーザーの購買行動などについても分析している。
Arbitron社は,(1)広告付き無料サービス,(2)広告が少なく月額料金の安い有料サービス,(3)広告のまったく入らないより高額な有料サービス,という3つの選択肢を提示して調査を行い,「オンライン・ストリーミングのユーザーは,広告を使った無料サービスを好む」と結論付けた。具体的な調査結果は以下の通り。
・インターネット・オーディオ・ユーザーの61%とインターネット・ビデオ・ユーザーの59%が広告付き無料サービスを好む。
・有料サービスを選ぶインターネット・オーディオ・ユーザーはわずか14%。
・インターネット・ビデオ・ユーザーのうち,低価格有料サービスを選ぶのは20%,比較的高額な有料サービスを選ぶのは12%。
オーディオ/ビデオ・ストリーミングの利用者の購買行動などについては,以下のような結果が得られた。
・ストリーミング・サービスの利用者は,一般消費者に比べ1.5倍多くDVDタイトルを所有している。また過去3カ月間に5回以上映画を見に出かけた人の5人に1人は,7月にインターネット放送を利用して映画の予告編をみた。
・個人的な旅行をする際にホテルの予約や航空券購入をオンラインでする人の割合は,ストリーミング・サービス利用者(60%)の方が一般の人(36%)よりもはるかに高い。さらに仕事で出張する場合は,ストリーミング・サービス利用者の5人に2人以上がホテル予約や航空券購入をオンラインで処理する。
そのほかの米国消費者のインターネット接続状況に関する調査結果は以下の通り。
・全人口の80%がインターネット接続できる状態にある。
・2003年7月時点でブロードバンド接続している家庭の割合は21%。
・「インターネット広告のなかで最もわずらわしいのはポップアップ広告」と感じるユーザーが非常に多い。
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