米Motorola会長兼CEOのChristopher Galvin氏は米国時間10月6日,同社の半導体事業を分離独立し,株式公開すると発表した。「今後は,通信部門と統合電子システム部門に力を入れる。一方,半導体事業は別会社となることで独自の戦略を展開できる」(同社)

 同社によると,半導体事業独自に株式評価されるようになり,今後は新たな製品ラインの戦略的買収の機会が得られる。また,「半導体業界の景気サイクルが上昇傾向にあるため,(同部門を独立させるのに)タイミングがよい」(同社)と説明する。

 半導体事業の一部を新規株式公開(IPO:Initial Public Offering)し,それ以外は非課税となる方法でMotorola社株主に分配する。なおこの計画については,同社の取締役会や規制当局の承認を得る必要がある。

 Galvin氏は,「過去4カ月間,半導体事業の将来性や,自社リソースを統合電子システム部門および通信部門に集中させることの有用性などを熟考して,取締役会に同事業の独立を提案した。取締役会は私の提案を全面的に受け入れてくれた」と述べた。

 Motorola社は今後,以下の5つの部門で事業を展開していく予定。

(1)Personal Communications:携帯電話機および関連のソフトウエアとサービス

(2)Global Telecom Solutions:携帯電話のネットワーク・インフラ,ソフトウエア,サービス

(3)Commercial, Government and Industrial Solutions:公安,政府機関,企業に向けた統合無線通信および情報ソリューション

(4)Integrated Electronic Systems:車載電子機器,組み込みコンピューティング・システム,携行用エネルギ・システム

(5)Broadband Communications:ケーブルおよびブロードバンド通信向けデバイスと技術

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