米Gartnerは,2003年第2四半期の世界携帯電話市場に関する調査結果を米国時間9月2日,発表した。同市場の販売台数は1億1490万台に達し,前期比では2%増,前年同期比では12%の増加となった。

 メーカー別でみた場合,フィンランドのNokiaが販売台数ベースのシェア35.9%を獲得し,首位を維持した。2位は米Motorola(シェアは14.6%),3位は韓国Samsung(同9.9%),4位はドイツSiemens(同7.0%),5位はソニーとスウェーデンEricssonの合弁企業Sony Ericsson(同5.5%)だった。6位の韓国LG(同3.8%)は,販売台数が前年同期比41.3%も急増した。

 「アジア/太平洋地域で生じたSARS問題などマイナス要因はあったものの,すべての地域において,販売台数が増加した」(Gartner社モバイル通信調査グループ主席アナリストのBryan Prohm氏)

■表:2003年第2四半期における世界携帯電話市場のメーカー別販売台数(単位:1000台)
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                2003年Q2   2003年Q2   2002年Q2   2002年Q2
                          市場シェア            市場シェア    伸び率
メーカー        販売台数    (%)    販売台数    (%)      (%)
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Nokia            41,231.0    35.9     35,139.4      34.2        17.3
Motorola         16,733.3    14.6     17,429.5      17.0        -4.0
Samsung          11,330.5     9.9      9,757.0       9.5        16.1
Siemens           8,052.2     7.0      8,219.0       8.0        -2.0
Sony Ericsson     6,270.8     5.5      5,324.9       5.2        17.8
LG                4,392.1     3.8      3,107.5       3.0        41.3
Others           26,884.3    23.3     23,714.2      23.1        13.4
Total           114,894.2   100.0    102,691.5     100.0        11.9
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出典: GartnerのDataquest社 (2003年8月)

 地域別にみた場合,日本,中南米,中央ヨーロッパ/東欧,中東,アフリカなどが事前予測を上回る販売台数となった。なお中国は重大な局面をむかえており,抜本的な調整が避けられない状態になりつつある。「現地ベンダーの製造縮小や整理統合,小規模地域ベンダーの事業撤退などを経たのち,見通しが明らかになるだろう」(Gartner社モバイル通信グループ・アナリストのAnn Liang氏)

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