米Allied Business Intelligence(ABI)が米国時間8月5日に,2003年第2四半期の携帯電話市場に関する調査結果を発表した。携帯電話機の出荷台数は1億700万台で,前期と比べて2%増,前年同期からは12%増加した。

 カラー・ディスプレイやデジタル・カメラ内蔵といった新機能が出荷台数の増加を後押しした。総出荷台数のうち,約3分の2は買い換えによるものだ。フィンランドのNokiaの携帯電話機は,出荷台数の3分の1以上がカラー・ディスプレイを搭載している。韓国のSamsungの場合,その割合は45%にのぼる。ABI社の予測では,2008年には総出荷台数の97%がカラー・ディスプレイを搭載する。

 メーカー別でみた場合,Nokia社が出荷台数ベースのシェア38%を獲得し,首位を維持した。2位は米Motorola(シェアは15%),3位にSamsung社(同11%),4位にドイツSiemens(同8%),5位にソニーとスウェーデンEricssonの合弁企業Sony Ericsson(同6%)が続く。Sony Ericsson社に5位の座を奪われた韓国のLG Electronics(同5%)は6位に甘んじた。

 Sony Ericsson社は平均販売価格(ASP)が167ドルから190ドルに上昇したにもかかわらず,前期より出荷台数を伸ばした。Nokia社も前期と比べて出荷台数が増加したが,Siemens社は横這いだった。Siemens社のASPは,上位メーカーの中で最も安い130ドルである。

 ABI社の推計によると,第2四半期における携帯電話機の総出荷台数のうち,約3.3%にあたる360万台がスマートフォンおよびスマートフォン機能を持ったPDAである。

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