米Motorolaは,OSにLinuxを採用しJava技術に対応した多機能携帯電話機「Motorola A760」を米国時間2月13日に発表した。マルチメディアPDA機能を備える「世界初のLinux/Java両対応ハンドセット製品」(Motorola社)。

 Motorola A760は,携帯電話機にPDA/デジタル・カメラ/ビデオ・プレーヤ/MP3プレーヤ/スピーカフォン/メッセージング端末/インターネット端末を組み合わせた機器。Over the Air(OTA)/Bluetooth/赤外線といった無線接続やUSBによる有線接続を介し,パソコンとPDAデータを同期することもできる。また,コンパクトなきょう体にカラー表示可能なタッチスクリーンを搭載する。

 「Motorola A760は情報管理が得意であると同時に,音声/テキスト/エンタテイメント・サービスを提供可能な通信機能を備え,“ながら族”である近頃のモバイル・ユーザーの要求に応えられる」(同社)

 LinuxおよびJavaを採用したことに関し,Motorola社副社長兼パーソナル・コミュニケーション部門GSM/TDMA製品系列担当ジェネラル・マネージャのRob Shaddock氏は,「機能豊富でカスタム化可能なモバイル機器に向けて魅力的なアプリケーションを開発できるようにするため,当社はオープンで柔軟性な環境の構築を進める」と説明する。

 Motorola A760の販売は,まずアジア太平洋地域で2003年に開始する。

 また同社は同日,スマートフォン向けの総合的な参照設計「i.Smart」を発表した。同参照設計では,オープンなOSを採用するとともに,スマートフォンの開発に必要なハードウエア,ソフトウエア,サポート・サービスを合わせて提供する。

 「i.Smartは当社の『Innovative Convergence GSM/GPRS』プラットフォームを使用しており,OEMが第2.5世代ネットワーク用に設計した機器を90日程度で動作可能な状態にする」(同社)

 同社によると,i.Smartプラットフォームの部品コストは同クラスのなかで最も低く,メーカーはより小さく携帯性に優れ,経済的かつ電力消費の少ないシステムを開発できるという。オープンな標準インタフェースを備え,単一プラットフォーム上で音声/画像/ビデオ/データに対応する。Bluetoothを利用でき,対応OSはeLinux,Symbian OS,Microsoft Windows CE,PalmOS。

 Motorola社は,2月17日から21日にフランスのカンヌで開催される3GSM World Congressでi.Smartを紹介する。製品としてのリリースは,2003年後半になると見込む。

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[発表資料(Motorola A760)]
[発表資料(i.Smart)]