米EMC，中規模企業向け製品拡充のためNASシステム3機種を発表

和田英一

2003.10.02

　米EMCは，中規模企業向けNAS製品「Celerra NS600G」「同NS600GS」「同NS600S」および，Windows Storage Server 2003と組み合わせて使用する「EMC NetWin 200」を，米国時間10月1日に発表した。いずれの製品も同日より利用可能とする。

　NAS市場の現状について，EMC社ストレージプラットフォーム事業担当上級副社長のDavid Donatelli氏は「大きな変化を経て，中規模企業でハイ・エンドNAS機能への需要が高まりつつある」と述べる。「当社はこの発表でそうした需要に応える。中規模企業が現在および将来の業務上の要件に対応可能なネットワーク化ストレージ・インフラを構築する際に，当社が幅広い選択肢と高い柔軟性を提供する」（同社）

　各製品の概要は以下の通り。

・NS600G／NS600GS：
　既存のストレージ・システム「CLARiiON CX600」「CX400」にNAS機能を「簡単かつ経済的に」（同社）組み込める製品。単一システムでSANとNASの両機能を利用できるので，「ストレージ利用率を高めることで結果的にコストを引き下げ，複雑さと管理の手間を大幅に削減する」（同社）。デュアルData Mover構成のNS600Gの米国における定価は9万7000ドル，シングルData Mover構成のNS600GSは6万3000ドル。

・NS600S：
　「Celerra NS600」製品系列のエントリ・レベルの製品。シングルData Mover構成だが，オンライン・アップグレード機能を使ってデュアルData Mover構成に変更できる。米Network Applianceの競合製品「F825」「FAS940」「FAS960」に比べ価格性能比が35％～60％優れているという。「FAS960よりも性能が高いにも関わらず，FAS940より安い」（同社）。1Tバイト構成時の定価は11万4000ドル。

・EMC NetWin 200：
　Windows Storage Server 2003と「CLARiiON CX200」を組み合わせて運用するNASシステム。Windows環境を多く利用しており，NAS機能導入の負荷を小さくしたい顧客向けの製品。500Gバイト構成時の予想小売価格は3万2000ドル。

　さらに同社は，NS600，NS600G，「Celerra CNS」でATAハード・ディスク装置の利用が可能になったことも明らかにした。