バーチャリゼーション(仮想化)技術を採用するストレージ管理ソフト「SANsymphony」を提供する米データコア・ソフトウェアが、製品拡販に向け、パートナーやエンドユーザー向けのサポートサービスを強化している。カスタマープログラム&サービス担当副社長のシンシア・サールン氏に、日本におけるパートナー戦略などを聞いた。要旨は以下の通り。

◆SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)に対応するハードウエアは数多く提供されているが、ハードだけでは顧客の管理負荷の増大の問題を解決できない。顧客は異機種が混在するストレージ環境を一括管理してコストを削減することを求めており、当社の製品はこの要求に応えることができる。
 
◆当社は、システムインテグレータやVAR (付加価値再販業者)、OEM(相手先ブランドによる販売)メーカーなどの販売パートナーを通じた間接販売モデルをワールドワイドで採用している。当初の販売パートナーは、SANの技術で先行した大手OEMメーカーが主体だったが、顧客が求める異機種混在環境に対しては、マルチベンダーの環境に強いシステムインテグレータが重要になっている。
 日本も同様で、異機種混在環境のストレージ管理ソリューションを提供するソリューションプロバイダのパートナーの獲得に力を入れている。日立製作所やNECソフトといったOEMメーカーやシステムインテグレータなど現在の販売パートナー12社に加え、今後は大手システムインテグレータを中心にパートナーを増やしていきたい。

◆パートナーやエンドユーザー向けの支援プログラムとして(1)教育、(2)パートナーを通じて提供するプロフェッショナルサービス、(3)技術サポート──の三つにフォーカスして強化していく。
 米国、英国、東京の3カ所にサポートセンターを置き、24時間体制のサポートを提供しているが、この7月末には、日本語のナレッジデータベースも提供する。当社のサポートは、顧客自身が案件ごとに緊急性を定義してサービスレベルをコミットするもの。99%で約束したサービスレベルを満たしており、顧客満足度の高いサポートを提供している。

◆現在ワールドワイドでユーザー数は約300社。昨年1年間は、四半期ベースで対前年比30%以上の売り上げの伸びを達成した。今年はそれを上回る成長を狙う。日本の売り上げは、ワールドワイドの10%がターゲットだ。

森重 和春=日経ソリューションビジネス