中国の香港を拠点とするソフトウエア企業chinadotcomは,米AOL Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)が2003年9月11日付けでchinadotcom社の株式を処分したと,現地時間9月25日に発表した。処分したのは,AOL社が所有するchinadotcom社株式のすべてで,679万5200株あったという。

 「当社の株式にかかっていた“覆い”を取り除き,この問題が決着したことを歓迎する。これで,製品輸出とモバイル・アプリケーションという中国で成長著しい2つの分野に向け,ソフトウエア戦略を集中して進められる」(chinadotcom社CFOのDaniel Widdicombe氏)

 両社は2003年7月28日に,両社と提携企業のあいだですべての請求権を放棄することを含め,合意に達したことを明らかにしていた(chinadotcom社の発表資料)。さらに両社は,chinadotcom社株式の追加取得に関するAOL社の保証書を取り消す件でも同意した。これにより,両社間にはいかなる契約も残っていないという。

 ちなみに米メディアの報道internetnews.comによると,chinadotcom社はAOL社からライセンス供給を受け,1999年に香港で通信サービス事業の運営を始めたが,その後2001年6月にライセンス運用をやめたことで同事業は停止していた。

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