米AOL Time Warnerは,AOL(America Online)部門の会計処理について,疑いがあることが判明したと米国時間8月14日,明らかにした。

 問題とされるのは,AOL部門の過去の3つの取引の収入。「サード・パーティから受け取った報酬を“不適当に”広告・販売収入として計上していた可能性がある」と説明している。取引額は4900万ドル。過去6四半期にわたる取引の総額という。

 同社ではこれ以外の取引も対象として今後さらなる内部調査を進めていく,と説明している。

 なおAOL Time Warner社は同日,CEO(最高経営責任者)Richard Parsons氏とCFO(最高財務責任者)Wayne Pace氏が,決算内容の正確性を保証する宣誓書に署名したと発表している。

 AOL社の会計処理を巡っては,今年7月に米証券取引委員会(SEC)と司法省が調査を始めていた。米メディアの報道によるとAOL社業務を担当していたAOL Time Warner社上級副社長のDavid Colburn氏が8月9日に辞任しているが,同社はその明確な理由について明らかにしていないという(掲載記事)。また,8月16日には,SECの調査対象が同氏に向けられている,などとも伝えられている(掲載記事)。

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