米AOL Time Warnerは2003年第2四半期の決算を米国時間7月23日に発表した。売上高は前年同期比6%増の108億ドル。Filmed Entertainment事業とNetworks and Cable事業が売上高の成長に貢献した。純利益は11億ドル(希薄化後の1株当たり利益は23セント)で,前年同期の3億9400万ドル(同9セント)から増加した。

 売上高を事業別にみると,America Online(AOL)事業の売上高が21億ドル,Cable事業は19億ドル,Filmed Entertainment事業が28億ドル,Networks事業が22億ドル,Music事業が11億ドル,Publishing事業が14億ドルとなった。

 AOL事業の会員による収入は前年同期と比べ6%増加したが,広告収入の同48%減が相殺するかたちとなった。また先ごろ,プロモーションを控える戦略を打ち出したことから,その他の収入も同62%減となった。

 2003年6月末時点のAOLサービスの会員数は,米国が2530万人で前期から84万6000人減少。欧州が620万人で前期から5万2000人減少した。

 AOL Time Warner社会長兼CEOのDick Parsons氏は,「堅実な業績を達成できたため,2003年通期の財務目標をすべて実現できそうだ。今年後半は,フリー・キャッシュ・フローの生成や資産売却などを通じて,負債額を減らすことに注力する」と述べた。

 ちなみに同社は先週,傘下のWarner Music GroupにおけるDVDとCDの製造/流通事業をカナダのCinram Internationalに10億ドルで売却すると発表した(AOL Time Warner社のプレス・リリース)。

 また同社は,2003年通期の見通しについても明らかにした。総売上高は前年の410億ドルから5%前後増加する見通しだ。また,AOL事業の売上高は前年の91億ドルから5%前後減少,広告収入は前年の13億ドルから35%~45%落ち込むとみる。

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