米AOL Time Warnerは米国時間9月18日に,名称変更について明らかにした。社名から「AOL」をはずし,「Time Warner」とする。同社役員会が,同日投票を行い,名称変更案を承認したという。

 ニューヨーク証券取引所での同社のティッカー・シンボル(銘柄コード)は,数週間以内に「AOL」から「TWX」に変更となる。

 同社会長兼CEOのDick Parsons氏は,「新たな名称が,当社の価値ある事業内容をより的確に反映し,投資家やパートナ,民衆の間で生じていた社名とAOLブランド名の混乱に終止符を打つと確信している」と述べた。また,「社員が新たなエネルギ,熱意,仲間意識をもって事業に取り組もうとする姿をみて,たいへん満足している。今年と来年の戦略的目標を達成するよう,さらなる前進を図る」(同氏)と付け加えた。

 America Online(AOL)社とTime Warner社は2001年1月に合併したが,以来,巨額の損失を計上するなど“合併後遺症”に悩んでいた。2002年は不正会計疑惑で調査を受け,ブロードバンド戦略の失敗広告/販売収入の大幅減などで,責任者の退任,経営幹部の人事異動などが相次いだ。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,名称変更は数カ月前からアナリストの間で予測されていた。変更案が具体的に表面化したのは8月のことで,AOL事業のCEOを務めるJonathan Miller氏がParsons氏に,「親会社(AOL Time Warner社)がトラブルを引き起こすたびに,AOLブランドのイメージが傷つけられている」として名称変更を提案したという。

◎関連記事
長いものに巻かれた?――米Microsoftと電撃和解した米AOL Time Warnerの真意
米AOL Time Warner巨大合併の死角
AOL Time Warnerの損失額は542億ドルに――合併後遺症に苦しむメディア・コングロマリット
米AOL Time Warnerの2003年Q2決算,増収増益だがAOL広告収入と会員数は引き続き減少
総合メディア企業は解体へ向かうのか――AOL Time Warnerに続きVivendiも迷走
米AOL Time Warnerの2003年Q1決算,黒字転換だが広告収入減と会員数低下は深刻
米AOL Time Warner,米Comedy Centralの持ち株50%を売却
ブロードバンドが世界最大のプロバイダ,AOLを揺るがす 

[発表資料へ]