米AOL Time Warnerは米国時間9月9日,2002会計年度通期の業績予測を発表した。AOL(America Online)事業の広告/販売の売上高が予想を下回って推移していることを明らかにしたもの。ただしAOL Time Warner社全体の売上高とEBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益)については,「先に発表していたものを再確認できた」(同社)としている。

 今回の発表で,同社はAOL社の2002会計年度通期の広告/販売売上高を17億ドルに下方修正した。ただしこれよりさらに5%減少するリスクも残っているという。EBITDAは17億~18億ドルとなる見通しである。

 全社的には,「AOL社以外の事業の業績が好調のため,2002会計年度通期のEBITDAは事前予測値である“前年比5~9%増”の前半となる」(同社)とした。売上高の成長率も先の事前予測通り5~8%増の範囲内という。

 2002会計年度第3四半期の業績については,前年同期に比べた売上高の成長率が1けた台の中間に,EBITDAは1けた台の前半となる見通しである。2002年第2四半期決算発表時には「売上高が前年同期比約5%増,EBITDAは同横ばいまたは5%増以内」と発表していた。

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