米IBMは米国時間8月4日に,Linuxへの取り組み強化について明らかにした。IBM Global Services(IGS)部門のLinuxプラクティス,Linux性能検査センターの中小企業向け提供,Linuxソリューション向けのプログラムなどを拡充する。
現在,同社IGS部門でオープン・ソース技術のスキルを持つ社員は3000人を超える。IBM社によると,2001年から約10倍の増強だという。「IBM社のLinuxコンサルタントは,詳細な技術的知識と奥深いビジネス・ナレッジを併せ持ち,オープン・ソース環境へのシームレスな移行を実現する」(IBM社)
IBM社はLinux性能検査センターの提供範囲を拡大する。オレゴン州ビーバートンの「Linux Centers of Competence」内にある「IBM Linux Solutions Express Center」を多数の中小企業が利用し,自社のLinux向けソリューションのテストを行えるようにする。
そのほか,ビジネス・パートナ向けの新たなプログラム「Double Your Discount with Linux」を発表した。独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)や付加価値再販業者(VAR)を対象にした中小企業向けLinuxソリューション開発支援の取り組み「Value Advantage Plus Initiative」の一環である。Double Your Discount with Linuxのメンバー企業には,IBM社のソフトウエアを最大60%の値引きで提供する。
またIBM社は,同社Linuxソリューションの新たな顧客についても明らかにした。オンライン映画レンタル・サービスの米Netflix,マリーナ予約サービスを手がける米Marinalife,金融情報サービスの米NYFIXをはじめ,韓国のSoftbank Uwayなどが,他社のプロプライエタリ・システムから,LinuxとIBM社製ハードウエアとソフトウエアを組み合わせたシステムに切り替えるという。
「厳しい経済状況の中,顧客企業は少ないコストでより多くのことを成し遂げる必要に迫られている。そのため,米Sun Microsystemsや米Hewlett-Packard(HP),米Microsoftなどのプロプライエタリな技術から(オープンな技術へ)移ろうとする企業が増えている。IBM社は引き続きLinuxの普及促進に向け,顧客へのプラクティスとサービスを強化し,パートナ企業が必要とするツールを提供する」(IBM社Linux事業ジェネラル・マネージャのJim Stallings氏)
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