米PeopleSoftは米国時間5月6日,企業向けアプリケーションのLinux対応で米IBMと協力することを明らかにした。

 PeopleSoft社とIBM社は,PeopleSoft社のすべての企業向けアプリケーションをLinuxに最適化する。IBM社のサーバー「eServer xSeries」,データベース・ソフトウエア「DB2 Universal Database」,アプリケーション・サーバー・ソフトウエア「WebSphere Application Server」を開発プラットフォームとして用いる。

 PeopleSoft社CTOのRick Bergquist氏は,「IBM社と共同でLinux対応を進めることにより,顧客に幅広い選択肢を提供できる」と説明した。

 IBM社Software Group部門グループ・エグゼクティブのSteve Mills氏は,「既存のIT資産を最大限に活用しようと考えている企業は,Linuxへの関心をますます高めている。PeopleSoft社の顧客は,低コストで信頼性の高いLinuxを採用し,ビジネスプロセスの合理化やオンデマンド環境の構築を行える」と述べた。

 Linuxに最適化した企業向けアプリケーションは,2003年第2四半期に利用可能にする予定。PeopleSoft社の企業向けアプリケーションには,運用管理支援の「Enterprise Service Automation(ESA)」や性能測定の「Enterprise Performance Management(EPM)」をはじめ,「AppConnect」「Customer Relationship Management」「Financial Management Solutions」「Human Capital Management」「Supplier Relationship Management」が含まれる。

 またPeopleSoft社は,ESAとEPMの特定分野向け新製品を同日明らかにした。企業のCIOやIT部門のプロジェクト運用を自動化する「ESA for IT」は,リソース管理や企業評価のほか,IT分野に特化した50以上の機能を備える。「EPM for Manufacturing」「同Healthcare」「同Communications」はそれぞれ製造,医療,通信分野向けの性能測定機能,データ・モデル,解析アプリケーションを提供する。

 そのほか,サプライ・チェーン・プランニングとビジネス・プランニングに製造解析機能を組み合わせた製造業向けスイート「Performance-Driven Manufacturing」や,雇用プロセスを簡素化する「Recruiting Solutions 8.9」も発表した。

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