米Sybaseは,Linuxへの取り組みについて,米Red Hatとの提携やテスト開発センターの開設を米国時間7月14日発表した。Sybase社は2004年までに,すべての自社製品をLinux対応にする計画である。

 Sybase社は,Linux対応データ管理に関してRed Hat社と提携を結び,Red Hat社の「Red Hat Premier ISV Partner」となる。リレーショナル・データベース管理システム「Adaptive Server Enterprise 12.5」,分散データベース・システム構築の「Replication Server 12.5」,多目的プログラミング・インタフェース「Open Client 12.5」,アプリケーション・プログラミング・インタフェース「Open Server 12.5」などの自社製品がRed Hat社の大規模企業向けOS「Red Hat Enterprise Linux」対応であることを保証し,顧客に提供する。

 またSybase社とRed Hat社は,データ管理に関する顧客のニーズに合ったソリューションを低価格で提供することに,共同で取り組む。設計開発やトレーニングおよびサポートで協力体制を敷き,技術ロードマップを交換する。また,上記のSybase社製品とRed Hat Enterprise Linuxを導入している共通の顧客に対し,共同でサポートを提供する。

 Sybase社が所有するニューヨークの敷地内に開設したテスト開発センター「Sybase Linux Competency Center」は,世界規模のプロフェッショナル・サービスのためのプラクティス確立を目指す。同センターには,米Dell Computer,米Hewlett-Packard(HP),米IBM,米Intel,米Sun Microsystems,Red Hat社のハードウエアやソフトウエアを導入し,技術専門家や金融サービス専門家などが,データベース,モバイル・アプリケーション,ビジネス・インテリジェンス(BI)アプリケーションなどの開発,テスト,トラブル・シューティングに取り組む。また,オンサイトのサポート,Linuxへの移行支援などを顧客に提供する。

 またSybase社は,「当社の製品で,Linuxの性能を最大限活用しようというパートナ企業が増えている」と述べ,金融サービス企業を中心にLinuxへの移行が進んでいることを強調した。「金融サービス企業は,Linuxに移行することで,TCOを削減しつつ既存のデータ管理システムの安定性と安全性を確保しようと考えている」(Sybase社)

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Linuxに黄金時代をもたらすもの

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