米Red Hatとテンアートニは,企業向けOS「Red Hat Enterprise Linux」の配布とサポートに関して提携関係に入った。両社が米国時間7月3日に発表した。提携により,テンアートニは,同社製品に同OSを統合して顧客に提供できるようになる。

 テンアートニは,日本における大手ITシステム・インテグレータである大塚商会の関連会社。1997年の設立以来,JavaやLinuxといったコア技術をベースに事業を行なってきた。顧客のニーズに応えながら製品に最新技術を組み込んで提供することを目標に掲げている。同社は,顧客のビジネス・ニーズを考慮しながら開発前の調査,分析,システム設計を行なっており,今回の提携は,同社のビジネス戦略と一致する。

 「顧客の要求に基づくソリューションの提供は,企業の成功においてもっとも重要である。Red Hat Enterprise Linuxは,ミッション・クリティカルなビジネス・アプリケーション向け標準プラットフォームとして認識されている。このソリューションをテンアートニの顧客向けに統合,配布,サポートができるようになった」(テンアートニ社長兼CEOの喜多伸夫氏)

 「提携により,Red Hat Enterprise Linuxが,テンアートニと大塚商会の全国に広がる強力な販売とサポート・ネットワークを通じて提供される。同OSが,日本において迅速かつ広範囲に渡って採用されることを確信している」(Red Hat日本法人の社長代表取締役の平野正信氏)

 2002年5月のリリース以来,大規模企業向けの「Red Hat Enterprise Linux AS」(旧名称「Red Hat Linux Advanced Server」)は,ミッション・クリティカルなインフラに広く採用されてきた。同社は,先ごろ企業向けLinuxを拡充してミッドレンジ向けサーバーOS「Red Hat Enterprise Linux ES」とワークステーション向けOS「同WS」を発表している。

 「テンアートニとのコラボレーションを通じて,Red Hatは日本の企業市場に価値が高い標準ベースのソリューションを提供することにより顧客の高い要求に応えられる。今回の提携は,Red Hat Enterprise Linuxソリューションの世界規模の拡張に向けたもうひとつのマイルストーンの達成となる」(Red Hat社 International Operations社長のAlex Pinchev氏)

 Red Hat Enterprise Linuxとサポートは,直ちにテンアートニから提供される。

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