米IBMが米国時間7月9日に,同社製プロセサ「POWER4」とLinux上で動作するインターネット・インフラ・ソフトウエア「WebSphere Application Server V5.0.2」を発表した。同ソフトウエアは「IBM eServer pSeries」「同iSeries」サーバーで使用でき,7月15日より利用可能とする。

 POWER4およびLinuxにWebSphereを対応させることで,競合製品よりも優れた性能/オープン性/コスト効率を備えるプラットフォームを実現し,複雑なWWWベース・アプリケーションを企業全体で使用できるという。さらに,「WebSphere Application Server上で現在動作しているJavaベースのアプリケーションも,Linuxの動作するPower4アーキテクチャで容易に動かせる」(IBM社)。

 「LinuxとWebSphereを使うと,業務の必要性に応じ,複数のサーバー・プラットフォームやプロセサ・アーキテクチャ上でアプリケーションを運用可能な柔軟性を得られる。これに対しMicrosoft Windows用アプリケーションは,Intelベースのサーバーでしか動作しない」(同社)

 WebSphere Application Server V5.0.2は,3種類の製品を用意する。各製品の価格と提供開始時期は以下の通り。

・WebSphere Application Server V5.0.2:1プロセサ当たり1万ドル。7月15日に提供開始

・WebSphere Application Server V5.0.2(Network Deployment):1プロセサ当たり1万5000ドル。7月15日に提供開始

・WebSphere Application Server v5.0.2(Enterprise):1プロセサ当たり3万ドル。7月25日に提供開始

 また同社は同日,米国およびカナダの顧客を対象とする同社製ソフトウエア購入時の助成サービスについて明らかにした。IBM Global Financingが提供するもので,審査に通った顧客は,購入代金の支払いを2004年1月まで延長するか,低金利の融資を受けられるというもの。同サービスを利用するには,米国では9月30日,カナダでは9月15日までに契約を結ぶ必要がある。

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