米Gartnerが米国時間7月22日に,2003年6月のIT支出に関する調査結果を発表した。それによると,6月はすべてのカテゴリにおいて,支出が依然として予測に届かなかったという。

 調査は,小~大企業の意思決定者559人を対象にアンケートを実施したもの。6月のIT支出は予算額の90%だった。

 Gartner社は,「回復傾向に歯止めがかかっている。業界をけん引するほど群を抜いて支出が上向いているカテゴリはひとつも見あたらない」と分析する。しかし,その中でもネットワーキングと電気通信は,予算に対する支出の割合が93.19%と好調だ。「電気通信装置は,2年間にわたる売上高減少から立ち直りつつある。電気通信サービスはモバイル利用の増加が追い風となっている。しかし,固定回線ネットワーク・プロバイダは,モバイルへの移行の打撃を受けている」(Gartner社)


■2003年6月のカテゴリ別支出状況

カテゴリ 予算に対する支出の割合(%)
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ハードウエア 88.03
ソフトウエア 84.25
ネットワーキングと電気通信 93.19
ITサービス 80.94
IT業界全 90.08
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出典:Gartner社

 また,米Oracleによる米PeopleSoftの敵対的買収計画や,PeopleSoft社の米J.D. Edwards買収が与えた影響をたずねたところ,81%の回答者は「今後数カ月間のソフトウエア予算を変更するつもりはない」としている。しかし12%は「事態が明確になるまで,関連ソフトウエアの購入を控える」と述べた。

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