米INPUTが米国時間6月19日に,米国連邦政府の通信製品/サービス向け支出に関する調査結果を発表した。それによると,支出額は年平均7%で増加し,2003年度の125億ドルから2008年度には173億ドルに達するという。

 INPUT社連邦市場分析サービス担当マネージャのPayton Smith氏は,「本土防衛,電子政府,国防総省の変革,在宅勤務推進がすべて今後5年にわたる連邦政府の通信関連支出の増加に寄与する」と述べる。「この四つの動向の中で,短期的には本土防衛が最も大きな影響を与える。それに対し,2008年度に近づくと電子政府の影響力が大きくなるだろう」(同氏)

 調査によると,連邦政府で通信製品/サービス支出額が最も高いのは国防総省である。Smith氏は「こうした状況は,文民機関の情報技術支出を国防総省よりも多くするという一般原則に反している」と指摘する。「しかしこの現象は,国防総省の活動範囲が広がって全世界に分散し,通信サービスへの依存度が高まったことを反映している」(同氏)

 文民機関の中では,2003年1月に設立された本土安全保障省の支出額が最も高い。このことについて同社は,「米国の本土安全保障戦略に通信活動が組み込まれていることを示すものだ」(同社)と説明する。

 「省庁間通信と情報共有活動に取り組むことにより,データ通信,ネットワーキング,コンサルティング/統合向け専門サービスに対する支出が増える」(同氏)

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