米Penton Mediaの発行する雑誌,Windows & .Net Magazine Networkが米国時間6月20日に,企業のIT支出計画に関する調査結果「2003 IT Industry Trends in Spending」を発表した。それによると回答者の80%は今後,“投資額を増やす”(44%)または“投資額を維持する”(36%)ソフトウエア/ハードウエア関連IT投資計画を立てているという。同社が前年行った調査では,同様の計画を持つ回答者の割合は66%で,14ポイント増加したことになる。

 調査は,同誌が2003年4月16日~5月6日に実施した。同誌の購読者やWebサイトのユーザーなど924人から回答を得たという。「回答者の90%以上が勤め先の企業で技術製品に関する購入/リースの決定権を持っているので,IT業界の支出額に関する同調査の予測精度は高い」(Penton Media社)

 今後の状況について,Windows & .Net Magazine Network発行人のKim Paulsen氏は,「2004年に技術市場の支出状態は改善する」とみる。その理由としては,(1)企業の収益改善,(2)ハードウエア/ソフトウエアの陳腐化,(3)新しい技術の登場,を挙げている。

 技術的な取り組みについて質問したところ,最も優先度が高かったのは2002年の調査と同じく“インフラ管理”であった。また,66%が12カ月以内にデスクトップOSをアップグレードする計画を持っており,65%は2004年中にサーバーOSをアップグレードする予定という。

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