米Microsoftは米国時間6月9日に,デジタルTVソフトウエア・プラットフォーム「Microsoft TV Foundation Edition」を,シカゴで開催中の全米ケーブル・テレビ協会(NCTA)の年次会「National Show」で発表した。「現在のセットトップ・ボックスを,次世代装置に発展させる」(Microsoft社)としている。

 Microsoft TV Foundation Editionを導入することにより,ネットワーク事業者は,ビデオ・オンデマンド(VOD)といったサービスのパッケージ・プランやプロモーションを効果的に提供できる。一方,視聴者は,双方向番組ガイド(IPG)などの機能を使って,より簡単にサービスを検索し,利用することができる。

 Microsoft TV Foundation Editionの主な特徴は以下の通り。

・IPG機能を組み込んだ,使いやすいVODインタフェース。即座にVODサービスの購入や登録ができ,簡単にカタログ・リストの表示が可能

・標準規格ベースのオーサリング環境とプラットフォームにより,既存のセットトップ・ボックス向けに費用対効果の高いマルチメディア・サービスとアプリケーションを配信する。ゲームのほか,地域の気象予報,スポーツ情報,ニュースなどが含まれる

・オンデマンド・サービスの検索と購入を簡素化する「On-Demand Storefronts」機能。多数のTVチャンネルを持つMultiple Service Operator(MSO)がオンデマンド・コンテンツの宣伝に利用できる「Barker Channel」機能を搭載する

・広告キャンペーン管理システムを用いて,広告配信のスケジュールと管理が行える。視聴者の居住地域,視聴者が利用するIPGの該当地域や時間帯,コンテンツの種類などに応じて,広告を配信することが可能

・ケーブル事業者向けに,広告のクリック・スルー率やアプリケーション利用といった視聴者データを解析し,報告する

 そのほか,ネットワーク事業者はロゴ,広告表示の場所,ルック・アンド・フィールなどの要素をカスタマイズ可能。アプリケーション開発とテストのためのツール「Microsoft TV Tools Suite」も提供する。Microsoft TV Tools Suiteは,開発環境「Visual Studio .NET」をベースにしている。

 なおMicrosoft社によると,Advanced Digital Broadcast社,米Concurrent Computer,米MetaTV,米Motorola,米SeaChange,Two Way TV社などが,Microsoft TV Foundation Editionのサポートを表明しているという。

◎関連記事
米マイクロソフトと米リンクス,デジタルHDTVのモバイル配信をNAB2003で披露
「伸び悩むデジタル地上波STB市場,2006年は14億ドル規模」,と米調査が大幅下方修正 
「LinuxベースのデジタルITVが2006年まで安定した成長をみせる」,米TRACE strategiesが調査結果を発表
一向に進まない米国のデジタル放送化,唯一の起爆剤は双方向テレビ
デジタルTV用STBの世界市場は2002年に回復,2008年の出荷台数は2001年の4倍以上に
デジタル・サービス提供に注力する米国CATV事業者,2002年の資本支出は150億ドル強
KDDI研究所,NAB 2003で最新のMPEGオーサリング/配信ソフトを披露

[発表資料へ]