KDDI研究所は,MPEGコンテンツのオーサリングと配信のための最新ソフトウエアを,米国時間4月7~10日にラスベガスで開催される放送関連の展示会「NAB 2003」で披露する。同研究所が4月3日に明らかにしたもの。

 NAB 2003では,プロフェッショナルとセミプロ向けの7種類の製品や技術を出展する。モバイル向けMPEG-4コンテンツやSMIL対応ブロードバンド・ビデオのオーサリング・ソフトウエア,ノンリニアMPEG編集ソフトウエア,MPEG-4ベースのライブ・ビデオ伝送システム,電子透かしソフトウエアなどが含まれる。

 主な内容は以下の通り。

・「ezmovie Creator」シリーズ:モバイル・アプリケーション向けビデオ・コンテンツのエンコーディングとオーサリング・ソフトウエア。ezmovieはKDDIの第3世代(3G)モバイル・ビデオ・アプリケーションで,MPEG-4とMP4をベースにKDDI独自の技術を組み合わせている。ezmovie Creatorには,高画質圧縮を可能にするMPEG-4符号化エンジンと,GUIベースのオーサリング・ツールが含まれる。

・「MPEG Edit Studio Pro ver.1.2」:MPEG-4/HDTV MPEG-2用のノンリニア編集ソフトウエア。ブロードバンド・ビデオ・ストリーミングやデジタルTV放送向けである。「ほとんどノイズが発生しない,高速で精細なMPEG-4/MPEG-2編集環境を提供する」(KDDI研究所)

・「MPEG Intelli Player」:MPEG-1/-2/-4に対応するソフトウエア・プレーヤ。通常再生とトリック再生のほか,MPEGファイルのセクションのマークイン/マークアウト操作が可能。

・「QualityMeeting」:MPEG-4ベースの低遅延双方向ライブ伝送システム。
独自の伝送帯域適応機能(BARC)とエラー回復機能(AVEC)により,伝送帯域の変動やパケット・エラーが発生しやすい環境でも,スムーズなオーディオとビデオ・ストリーミングを実現する。

・「Preview Navigator One」:米RealNetworksの「RealOne」プレーヤ向けのSMIL2.0対応コンテンツ作成ソフトウエア。サムネール・インデックスの同期化やオンデマンド・プレゼンテーションといった機能をコンテンツに加えることが可能。

 その他,デジタル映像品質の遠隔自動監視装置「Digivits」,電子透かしソフトウエア「MPmark」を出展する。

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