スウェーデンのCoding Technologies,松下電器産業(本社:大阪府門真市),NEC(本社:東京都港区)は米国時間12月12日,オーディオ符号化技術「MPEG-4 AAC-plus-SBR(aacPlus)」に対応した低消費電力版SBR方式を発表した。「40%少ない演算処理能力でCD並みの音質を再生できる」(3社)という。

 aacPlusは,MPEGのAAC(Advanced Audio Coding)方式と、Coding Technologies社が開発したSBR(Spectral Band Replication)技術を組み合わせたもの。SBRは再生帯域を拡大し,AAC方式の半分の圧縮率で同等の音質を再現できる。さまざまなコーデックと組み合わせることが可能。

 低消費電力版SBR方式は,幅広負いモバイル機器や携帯端末などで実装できるため,「第2.5世代(2.5G)および第3世代(3G)サービスにおける高音質利用で重要な役割を果たすことになる」(3社)

 Coding Technologies社社長兼CEOのMartin Dietz氏は,「3社の協力がaacPlusに大きな飛躍をもたらした。プロセサ性能は急速に向上しているが,消費電力はモバイル市場にとっていまだ大きな課題だ。今回発表した低消費電力版SBR方式により,MPEG aacPlusの実用化が早まるだろう」と述べた。

 「低消費電力化はモバイル機器や携帯端末にとって常に重要だ。低消費電力版SBR方式がネットワーク音楽配信,デジタル放送サービス,半導体オーディオ・プレーヤなどの市場をけん引すると期待している」(NECマルチメディア研究所所長の西谷隆夫氏)

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