MPEG-4 Audio Licensing Committeeは ,「MPEG-4 Audio」に使われる特許のライセンス管理業務を行う団体として,米Dolby Laboratories傘下の米Via Licensingを選定したと米国時間12月2日,発表した。

 MPEG-4 Audioは「MPEG-4」のオーディオ規格。MPEG-4 Audio Licensing Committeeは,MPEG-4の業界団体であるM4IF(MPEG-4 Industry Forum)に設けられた委員会である。特許保有企業からの要請により,M4IFがMPEG-4 Audioの3つのプロファイルのライセンス条件を検討するために設置した。3つのプロファイルとは,「High Quality Audio Profile」「Speech Audio Profile」「Mobile Audio Internetworking ("MAUI") Profile」である。

 今後は,MPEG-4 Audio Licensing CommitteeとVia Licensing社が協力して,ライセンス規約を策定していく。委員会では「(このライセンス規約は)2003年の第1四半期にも公開できる」と見込んでいる。

 ライセンス規約で当初カバーする各プロファイルの技術には以下のものがある。

・High Quality Audio Profile:AAC LC, AAC LTP, AAC Scalable, CELP, ER AAC LC, ER AAC LTP, ER AAC Scalable, ER CELP
・Speech Audio Profile:CELP, HVXC, TTSI
・MAUI:ER AAC LC, ER AAC Scalable, ER TwinVQ, ER BSAC, ER AAC LD

 ちなみにMPEG-4 Audio Licensing Committeeは以下の企業で構成する。それぞれが「MPEG-4 Audioのプロファイルにとって重要な特許を保有している」(委員会)という。AT&T,Dolby Laboratories,Electronics and Telecommunications Research Institute (ETRI),France Telecom,Fraunhofer IIS,富士通,NEC,Nokia,NTT,Philips Electronics,Samsung Electronics,ソニー,VoiceAge 。

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