音響信号処理技術の開発を手がける米Dolby LaboratoriesはシンガポールのCreative Technology社がサウンド・ボード「Sound Blaster Audigy 2」をDVD-Audio形式に対応させたことを米国時間10月29日,明らかにした。Dolbyは,同カードがPCプラットフォーム上でDVD-Audio形式の再生機能を提供する初のサウンドカードになるとともに,また同形式の普及を促進する,として歓迎するコメントを発表している。

 DVD-Audioは,レコード会社,家電ハードウエア製造業者,IT企業などが開発した音楽記録用の規格。現行のCDの44.1kHzサンプリング,語長16ビットに対して,DVD-Audioは,192kHzサンプリングで語長も24ビットの高精度を確保する。

 DVD-Audio形式は,高品質のオーディオに加え,1枚のディスクからさまざまな付加価値機能を提供する。Creative Technology社の発表により,DVDドライブと同サウンド・ボードを搭載するPCでも楽しめるようになったという。

 「『Sound Blaster Audigy 2』へのDVD-Audio形式の対応により,PCユーザーは同形式の優れた音質を容易に体験できるようになっただけでなく,消費者はホーム・エンタテイメントやカー・オーディオで聴いていたのと同じDVD-AudioディスクをPCでも聴けるようになった。この新しいPCオーディオがPCの新しい標準となるとともに,同形式のアプリケーションが日常生活の中で広がると予測される」(Dolby Laboratories社)

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