MPEGビデオ特許のライセンス管理会社,米MPEG LA(Licensing Administrator)」は,DVDプレーヤ・メーカーの米APEX Digitalがライセンス契約に違反したとして,コロラド州の連邦地裁に提訴した。MPEG LA社が米国時間8月8日に明らかにしたもの。

 MPEG LA社によると,Apex Digital社は両社間で締結しているMPEG-2の特許ライセンス契約「MPEG-2 Patent Portfolio License」に違反し,数百万ドルに及ぶライセンス料の支払を怠ったという。金銭的損害とその利子,未払いライセンス料の計算書,会計/記録書類の開示を求めている。

 MPEG LA社は,Apex Digital社がMPEG LA社に提出した報告書に疑問があるとも述べている。「MPEG LA社に提出されたライセンス料に関する報告書とApex Digital社が公表している製品の販売台数が一致しない」(MPEG LA社)という。

 さらにMPEG LA社は,未払い分の支払いがすべて完了するまで,Apex Digital社製品の販売を差し止めるよう,裁判所に要求している。

 「DVD再生には必ずMPEG-2デコーダが必要となる。従って販売差し止めの対象は,DVD再生機能を搭載したすべての製品になる」(MPEG LA社)

 MPEG LA社CEOのBaryn S. Futa氏は次のように説明している。「Apex Digital社の契約不履行は,他のライセンシに対してアンフェア。現在,世界市場に出回っているほぼすべてのDVDプレーヤは,これらのライセンシの製品。彼らはそれぞれに適切なライセンス料を支払っている」(同氏)

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