米Strategy Analyticsが英国時間6月11日に,世界のデジタルTV用セットトップ・ボックス(STB)市場について調査した結果を発表した。2001年の市場は欧州での需要が減少したため不調だったが,2002年に大きく回復する。2008年におけるデジタルTV用STBの出荷台数は1億4770万台に達する見込み。

 2001年におけるデジタルTV用STBの出荷台数は3340万台で前年比22%増だった。しかし価格の急激な低下により,売上高はわずか2%増にとどまった。

 とりわけ欧州市場の落ち込みが著しく,売上高は20%減少した。英BSkyBによるデジタル・サービスのアップグレード中断が大きく影響した。一方,北米はデジタル・ケーブル・サービスや衛星サービスの後押しにより,7%成長した。

 Strategy Analytics社は,2002年に市場が盛り返すとみている。出荷台数は前年比34%増の4460万台,売上高は108億ドルにのぼる見込みだ。高速デジタル・ケーブルの普及がSTBに対する需要を押し上げ,2008年までSTBの売上高は年平均24%で増加する。

 米Motorola,米Scientific-Atlanta,フランスのThomson Multimedia,オランダのPhilips Electronics,英Pace Micro Technologyといった主要企業の活躍に期待するが,中国メーカーの台頭も見逃せない。中国メーカーは長期にわたって主要メーカーの脅威となるだろう。

 「STBメーカーが成功するためには,価格と柔軟性を重視すべきだ。事業者はコストを抑えつつ幅広いサービスを顧客に提供したいと考えている」(Strategy Analytics社Broadband Device Strategies部門ディレクタのPeter King氏)

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