米Via Licensingが,MPEG-4 Audio特許ライセンス制度の運用を開始すると米国時間6月6日に発表した。これにより,MPEG-4 Audio技術を使う製品の開発/販売には,同ライセンスの取得が条件となる。Via Licensing社では,「同ライセンス制度を開始することで,複数関係者の所有する一連の必須特許が,妥当かつ公正な条件のもとで利用しやすくなる」としている。

 同社は米Dolby Laboratories傘下の企業。MPEG-4の業界団体であるMPEG-4 Industry Forum(M4IF)内の委員会,MPEG-4 Audio Licensing Committeeから,特許管理業務の委託を受けている(関連記事:http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20021203/9/)。

 Via Licensing社ジェネラル・マネージャのRamzi Haidamus氏は,「世界的な家電/電気通信/調査関係の企業が集まり,前例のない共同作業を行ったおかげで,MPEG-4 Audioのライセンス業務を始められる」と説明する。「このことは大きな節目であるとともに,MPEG-4 Audioのように重要なオープン標準を普及させるであろうライセンスを提供できることに興奮している」(同氏)

 MPEG-4 Audioのライセンス条件や特許ライセンス契約のサンプルは,Via Licensing社のWWWサイトに掲載している。

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