米Via Licensingは,オーディオ符号化規格「MPEG-2 Advanced Audio Coding(AAC)」のライセンシング・プログラムの代理業務にあたる。同社が米国時間1月30日に明らかにしたもの。

 MPEG-2 AACは,商用放送やデジタル音楽配信アプリケーションに向けた高音質のオーディオ符号化技術。他の知覚コーディング方式と比べて符号化効率に優れており,低ビット・レートで高品質のオーディオ再生が可能。最大48チャンネルのオーディオ信号を伝送でき,最大96kHzのサンプリング周波数に対応する。また,5.1チャンネルのオーディオ信号を320kbpsで符号化した場合の音質は,ITU-R放送品質を満たすという。

 MPEG-2 AACは,日本の統合デジタル放送(ISDB)や米国の衛星ラジオ・サービス「XM Radio」に使用されており,インターネットを介した音楽のストリーミングやダウンロードなどにも利用できる。SDメモリーやDVD-ARなどでサポートしている。

 Via Licensing社は2002年に設立された,特許ライセンス・プログラムと特許情報管理を手がける企業。「MPEG-4 Audio仕様が,汎用オーディオ符号化システムの基盤としてMPEG-2 AACを採用している。従って,MPEG-2 AAC特許のライセンスを管理するという業務は,Via Licensing社の事業基盤を形成するだけでなく,より大規模なMPEG-4 Audioのライセンシング・プログラムの発展にもつながる」(Via Licensing社)

 なお,MPEG-2 AAC特許の共同ライセンサには,同符号化技術の開発に加わった米Dolby Laboratories,米AT&T,ドイツFraunhofer IIS-A,ソニーが参加している。

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