オーストラリアのSharman Networksは米国時間5月23日に,同社のファイル交換ソフトウエア「Kazaa Media Desktop」のダウンロード件数が世界で2億2951万3316件に達したと発表した。「これまで最もダウンロード件数が多かった『ICQ』の記録を抜いた」(Sharman Networks社)

 ダウンロード件数のデータは,米CNETのDownload.comサイトが計測した数値である。Kazaa Media Desktopは「55週連続で,Download.comにおける最も人気の高いアプリケーションの座を維持している」(Sharman Networks社)という。

 Sharman Networks社CEOのNikki Hemming氏は,「Kazaa Media Desktopを愛用している世界中のユーザーに,当社のスタッフ全員が感謝している。当社が設立以来目指していることは,ライセンスを受けたコンテンツの配信モデルを開発し,確立することだ」と述べた。

 ユーザーは,Sharman Networks社の提携サービスである「Altnet」で,音楽,映画,ゲーム,ソフトウエアなどのライセンスを受けたファイルを入手できる。1カ月当たり2000万以上の合法ファイルを,Kazaa Media Desktopユーザーが取得しているという。

 ファイル交換アプリケーションを巡る問題では,米音楽/映画業界がファイル交換サービス「Grokster」と「Streamcast」を訴えていた裁判で,米連邦地裁が2003年4月に,両サービスを合法とする判決を出している。「合法判決に引き続いて,Kazaa Media Desktopが今回の記録を達成した。これは,ファイル交換サービス業界の発展における重要な段階を示すものだ」(Sharman Networks社)

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